サステナという言葉について


先日、大丸松屋カードが運営する


NEW ME,

NEW LIFE MAG


にて昨今のファッションにおける

SDGsの動向についてコメントをさせていただきました。

元よりサステナブルファッションについて

興味関心はあったものの、自身の知見はそう深くなかったので

その分野について詳しい方の力を借りて自分なりに良いと思うモノ・コトを

編集者の方にトスして出来上がった記事がこちらです。


10年ほど前からファッション界隈では

“サステナブル”という言葉が取り沙汰されていました。

ですが、当時はファストファッションが日本に上陸して間もない時代。

社会情勢と相容れなかったため、どんなに作り手側がメッセージを残しても


「ものづくりが良くてもダサくて高いなら買いたくない」

「トップス一枚2000円以下で手に入る時代にわざわざ高いもの買わない」


と、見向きもされませんでした。


当然ですよね。

私だって消費者の一人。

働き手がどんな過酷な労働環境でやすい服を作っているか

理解をしていたとしても、買う手を止めることができない。


ですが、ゆるやかに時代は流れて。

また、コロナをきっかけにサステナブルファッションが

ようやく広く一般的に認知され始めていきました。


それは単に私たちの意識が変わったというだけでなく

メディアが多く取り沙汰しているからというのもあります。


今や各アパレル企業で

“サステナブル”や“SDGs”をうたわないのは

ナンセンスと言わんばかりに、手のひら返しに

環境に配慮した製品開発や取り組みが

各々のブランドでおこなわれています。


社会全体のその傾向は個人的に素敵なことだなぁとも思う。

その一方で、先日まで何食わぬ顔して大量生産していたブランドが

環境に配慮しています!と銘打った商品を販売しているその現実に

非常に違和感を覚えるのもまた事実で。


私の目からは

SDGsが流行っているから取り入れよう

という浅はかな考えが透けて見えます。


もちろん、中には本当にこだわりを持って

取り組んでいるブランドもあります。


ただ、ブランドイメージのために取り組んでいますという

マーケティングの一種としてしか捉えていないブランドがあるのもまた否めません。


本来サステナブルとは、SDGsとは

在るべき人に在るべき利益を。

在るべき環境を見極め、在るべき状態に戻す。

無駄をなくす、減らす、それを永続的に習慣化させる。

そういうものだと思っています。


なのに、サステナブルやSDGsという言葉だけが

流行のように扱われ、また無駄な製品を生み出しているのではないかと。

時々そのようにも感じます。


|私たちは何を基準にモノを買うべき?


事実、企業も人です。

目の前の製品が本当に良い商品かどうかはさておき

そういった社会ならそのように変化を遂げないといけない。

それ自体に良いも悪いもありませんよね。


じゃあ、そんな中で消費者である私たちは

何を基準に服を選べば良いのでしょうか。


ブランドの想い?

デザインの可愛さ?

そうはいっても、やっぱり価格の安さ?

本当の意味でSDGsな消費行動ってなんでしょうね。


私なりの答えを出すとすれば

自分が愛を語れる服以外は買わないということにつきます。


もちろんそれがフェアトレードの服であれば良いでしょうね。

オーガニックコットンを使っている、環境に配慮したエコ素材を使用している。

そういうのでもいいと思う。


でも、もっと簡単なことでもいいんです。

ただ無駄に服を買わない、なんとなくで適当に選ばない。

私はその意識を持つだけでも、れっきとしたSDGsだと思っています。


買うものに愛着が湧かなければ、人はものを大切に扱いません。

となれば、すぐにゴミとなります。


安くても身につけている自分が心から幸せになれる服。

それは何年でも大切に扱おうという意識が根強く

あなたにとってサステナブルな服でしょう。


ブランドを愛する...というのも良いですね。

ブランドには必ずそのブランドが生まれた背景というものがあります。

いつ、どうして、なぜ、どのようにしてそのブランドは生まれたのか。


その背景に共鳴する服を愛して身につける。

これも私としてはサステナブルだと思っています。

だって、そのブランドが良いと思えば値段なんて関係ないでしょう?


それに生産者が愛を持って作った服は

決して悲しい労働を生み出さない。

...と思うのは性善説でしょうかね?


ですが、私が出会ってきた

ファッションデザイナーさん達は

服の素材一つひとつに想いをこめています。


安くて可愛い服を売れるという大企業のような

量産型ビジネスができないという側面もありますが。


着る人が自分の服を喜んで袖を通してもらいたい。

そんな想いが込められた服を買うというのは

なんだか恋人と付き合うような感覚です。


そう、何にお金を落とすかって

自分が心から愛したいものにお金を落とすべきなんですよね。

それが人にも社会にも環境にも優しい永続的な循環。


誰もがそんなふうに思えれば

そしてそういう買い方が当たり前になれば

いつの日か、サステナブル・SDGsなんて言葉もなくなるはず。


あえて語らずともそれが当たり前の世界になる。


それが本当の意味で私たちが目指したい

サステナブルってやつじゃないかな。




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