シワが増える人生って、楽しい。

多くの人、とくに女性は
年齢を重ねるということに対して

何かと悲観的である。

だがしかし

年齢を重ねたからこそ生まれる

価値は何にも代え難いものがある。


年齢を重ねたことで得られる価値は

それこそたくさんあるが、私がとくに実感するのは

身近な人の人生の成れの果てを

ともに体感できるということだ。

愛すべき人が過去に何を望み、今をどう生きて。

そして未来をどう形作っていくのか。


その果てを長く見続けられるということは

とても幸福なのだと思う。


|10年後の私たち


社会で働き始めて17年。

長いようで、短く、長い年月だ。

この17年の間にさまざまな人に出会った。

とくに自分の力でご飯を食べていきたいと

フリーランスを目指し始めた25歳の頃からの、この10年間。

あらゆる人と出会い、ぶつかり、別れ、再会し。

付き合い、別れ、結婚し、また別れ。

その中でも薄く、でもしなやかに

つながり続ける縁もあり。


25歳のあの頃。

フリーランスや起業を目指す友達と

「私たち、10年後にはどうなっているんだろうね」
なんて話に花を咲かせて。

互いに何かすごいものになっているんだろうと

期待に胸を膨らまし、笑いながら表参道を練り歩いた。

同時に本当に描いた夢を叶えられるのかという不安もあって。

若さゆえの危うさも持ち合わせていて。

その未熟さも含めて私たちは輝いていたと思う。


|みんな、何者かになっていた


10年前であった人たちは

アラハタからアラサーに。

アラサーからアラフォーに。


みんな、どことなく歳をとったなぁという風貌で。

だけど目元にあらわれる笑いジワはなんとも美しく。


10年前にはなかった安定感を持って

まさに、“私の人生”を生きている。


あの人みたいになりたい、でもなく。

私の生きる日々に納得しているのだ。


もちろん、その時々に不安はあれど

深い部分の軸はぶれていないのだろうというのを感じる。


コンサル業をしていた人が

スピリチュアリストに転向したり。


とにかく、なんか起業したい!

というフワッとしてることを言っていた人が今では

地方創生のリブランディング事業に関わっている。


自発性が感じられなかった控えめさんは

自身の性格を活かして作家さんになり。

起業仲間で出会った人の中には

有名なYouTuberになった人もいるし

大手アパレル企業とコラボ商品を作るまでに

有名になったファッションデザイナーもいる。


10年という月日は人を変える。

何者にもなれないと悩んでいたあの人たちが

他の人ではない、その人なりの何者かになっている。


|人の変化を目の当たりにできる幸せ


私たちはいつも、死に向かって歩いている。

だからこそ生を正義と捉えてしまうと、ここから先の人生は全て

何かを失っていくばかりでとても苦しく感じる。


でも、よく考えてみてほしい。

年をとるということは、人生経験が増えるということ。

そして大切な人の変化、成長をともに共有できること。

映画やドラマ、小説ではエンディングのその先を知ることはできない。

けれど、現実世界では友人の人生という名のドラマを

これからもずっと見続けることができる。


そこに終わりはないし

私の生が終わるまで見続けられる。


しかもここから先の10年間は

きっと、もっと面白いことになるだろう。

社会で活躍する友人知人はもっと増えるだろうし

私も、私で10年前よりもできることの幅が広がった。

もちろん、これからも広げ続けていく。

やりたいことに遅いということはなく。

失うものを恐れることなく。

私は私として生きていくことに

もっと自信と誇りを持っていく。

ここから10年はそんな私を目指したい。




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