私にとってのファッションとは
服が好きだ。
スタイリストなのだから何を今更と言われるかもしれないが。
私は「服」そのものが好きなのだと最近気づいた。
おしゃれな服に身を包む自分が好きなのではなく。(好きだけど!)
世の中の人を私の手でおしゃれにするのが好きなのではなく。(やりがいあるけど!)
それ以上に服が好きで、服を作る人を愛しているのだ、と。
さまざまな生地の手触り、布をハサミでジャキンと断つあの音。
問屋街の埃っぽい匂い、針仕事をしている人を眺めているのが好き。
服の成り立ちを知るのが好きで、服の歴史を遡るのも楽しい。
服に関わってる人が好き。
実は「かわいい」「おしゃれ」って言われると
嬉しい反面、ものすごく強い感動ってそこまで沸いてこなくて。
多分それは「服の着こなしを素敵って思われたい」ていう欲があまりなく(いやでも嬉しいが!)、また「かわいいと思われたい」そういう欲もそんなに強くないのだと思う。
こういうとキレイゴト抜かしてるなーと思わなくもないが…
でも、それよりこの服のデザイン見て美しくない!?
これを作った人の脳内やばすぎ!
海外で活躍する日本人デザイナーさんのものづくり本当に素晴らしいな。。
と、そっちの世界をのぞいてる時間のほうが何倍もドキドキ、ワクワクする。
実は先日、趣味でやってるダンスのイベントがあってメインダンサーの子の衣装をリメイクしたんだ。ミシンがなかったもので、手縫いで雑も雑。でもどうすれば華やかに見えるのかとか、どうしたら彼女が一番美しくなるかを考えて作っていたあの時間がすごく楽しかった。
次はもっと上手く作れるようになりたいな。
プロを目指すつもりなんか毛頭ないけれど、せめて頭に浮かんだイメージの衣装を自分の手で作り出せるようになれたら幸せなんだけれど。
だから、ほんとデザイナーさんって尊敬しちゃう。
こういうのを作りたいと思って作れるんだもの。
私にはできない技術だから憧れちゃうし、だからこそその世界を少しでも覗いてみたくて独学で書籍読み漁ったりして知識を十数年身につけてきたんだと思うの。
私はデザイナーにはなれないし、多分ならないけれど。
でも服が好きで、服を作る人を愛している。
だからデザイナーがこの人のために作ってあげたいと思った服を、届けたい相手に一人でも多く届くように私の言葉で、適切な伝え方で発信できたらいいなと思うの。だって、彼らは着る人が美しくなることを一番に考えている素晴らしい人たちなのだから。
いつもWEBサイトに上がってくる新作アイテムの一覧からだけでは知り得ない大切な思いがそこに込められているの。彼らにはそれを語る場所を与えられていない。あえて語らない人もいるよね。それをね、発信したいんだった。
私、おしゃれな人になりたいんじゃない。
自分の力でおしゃれな人を手がけたいんじゃない。
ただ、服が好きだから、服を心から好きになってくれる人が一人でも増えたら嬉しいんだな。そのために仕事してるんだったと気づいた師走であります。
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