まっっってた!!!!

いつ発売されたのか
分からないけど
昨日書店に寄ったら

出てた!!


安野モヨコの
鼻下長紳士回顧録
下巻!

まっっった!!
すごく待ってた!!
嬉しい!!

しかも
完結まで素晴らしい
文句なしに感動した!

安野先生の
世界観はもともと
大好きなんですが

こと
鼻下長紳士回顧録
に関しては

舞台であるパリと
娼館という
私の二大好物が
ギュッと凝縮されていて

も、ほんとに
一番好きな作品になりました。
しかも結末がいい。

そして作中に
投げ込まれる詩的な
一文にドキッとさせられる
場面がいくつもありました。

なんていうのかな
5年後にもう一度読み直したら
また新たなる発見ができそう。

最近、部屋が埋まるから
紙媒体の単行本は
ほとんど買わないのですが

鼻下長は絶対に

長く手元に置いておきたい本。


今のところ

漫画で手元に置いているのは

【アルテ】【シックスハーフ】と

【鼻下長紳士回顧録】だなー。


読み返すたびに新しい

見方ができる漫画・小説・エッセイは

ずっと取っておきたいなー。


あ、また

すーぐ脱線する。

さて話戻します。


内容については

どこまで書いて良いものか
分からないので
詳しく書きませんが


ひとりの男に翻弄され
娼館で働くことになった
主人公が同じ境遇で働く
女たちや客を

客観的に観察しながら
その様子を回顧録として
書き連ねていくという話

様々なエピソードが
盛り込まれていくのですが
とくに感動したことと言えば

主人公のキャラクター設定は

他の作品と一線を画していること。


娼婦を題材にした物語。

これは安野先生に限らず

多くの漫画家がテーマとして

取り上げていますよね。


例えば、江戸吉原。
イタリアのコルティジャーナ。

細かい舞台や歴史の背景は違えど

娼婦を題材にすると決まって

女性の自立が大きなテーマになっていきます。


で、だいたいどの作品も


不遇な状況から打開すべく

のし上がってやろう。

自分で人生切り開くんだ!
という野心溢れる主人公が
出来上がりやすい。

不幸な境遇に負けない!
みたいなキャラクターですね。

しかし鼻下長紳士回顧録の
主人公、コレットは真反対。

どちらかといえば
男に翻弄され
人生に翻弄され
自発的な意思などなく
ただ、淡々と生きている。

もちろん

物語が進むにつれ

コレットは自分なりの
生き方をみつけていこうと
する訳だけど

その過程には
いわゆるファンタジーな熱はない。
ただ、リアルだ。

20世紀初頭に
実際にこんな娼婦は
存在していたんじゃなかろうか
そう自然と思えるリアルさ。

生温い温度感が
とにかく読み進めるほどに
心地よかった。

安野モヨコさんは
なんかのインタビューで
「自分は天才じゃないから努力するしかない」というようなことを言っていたが

紛れもなく天才だと思う。

努力し続けてきた
今の安野先生だからこそ
描ける物語が鼻下長紳士回顧録だし
人の心の機微を読み取る力は
そもそもで天性の才能では
ないのかな。

いや、ほんとに買って良かった。
1400円だし、高いけど。
でもそれ以上の価値あった。

はー......。


やっぱり漫画は
好きだなぁ。。


フィクションだけど
たくさんの人の
人生に触れる機会のある
最高のエンターテイメントだよ。

世界観に飲まれすぎて
しばらく現実世界に
戻ってこれない病が発生してます。

安野先生
本当に描きあげて下さって
ありがとうございます。

待ってたぶんの
期待以上の素晴らしい作品でした。

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